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「たのしろくない!」とは言わないで!

「街で見かけて気になった人」・「彼女とのやり取り」を中心にエッセイを書いてます

強化系の修行僧を駅で見た

彼女とのやりとり 街で見かけて気になった人 マンガ関連

ベルを「ちーん」と鳴らして、お賽銭を募ってる修行僧

 この日も電車の時間に間に合わないか何かで急いでいた。夕方くらいだったと思う。某ターミナル駅を歩いているとお遍路さん(?)と言うのだろうか、熊野古道を歩いてそうな格好をした人がいた。麦わら帽子的なものを深めに被って、いかにも修行中です、みたいな。ベルを「ちーん」と鳴らして、お賽銭を募ってる人を一度は見たことがあると思う。

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 筋肉が凝縮されたようなぶっとい腕が見えた

  でも、その人は何かが違った。だから覚えてるのだが、まず、圧倒的に姿勢が良かった。申し訳なさそうな気持ちなど微塵も感じさせない。それどころか、何かに対して怒ってるようにも見えた。ちなみに、僕は急いでいる時にも周りが見える人間ではない。言うなれば、これだけの人がいる中で異質な存在だとすぐに気付いてしまうような何かを発していたのだ。だから興味を惹かれた。ちょっと怖いけど、人生初のお賽銭を入れてみようか。でも、時間がない。うーん。左足を固定し、右足を前後させていたから、もしかしたら怪しい人になっていたかもしれない。……ええい! めんどくさい! ここは行くしかないだろう! と決めたは良いものの、一直線に向かうのはさすがに怪しすぎる。なので、歩いていたらたまたま見つけてお金を入れました、という体を装えるような進路で近づいてみた。すると、黒装束的な半袖の服からそそり出た、筋肉が凝縮されたようなぶっとい腕が見えた。

好奇心で近づいた瞬間だった

 ……? 一体何者なんだ? その答えを知りたいと思った時、人は顔を見たくなる。顔を見て、情報を集めることで糸口を探っていく。しかし、そこは絶妙な深さの麦わら帽子。あいにく、浅黒い肌しか見えなかった。腕が見えた時点で、距離にして数メートルはあったと思う。やはり、どうしても顔が見たい。しかし近づくにつれ、「ふぅー、ふぅー、ふぅー」という荒い呼吸音が聞こえてきた。それは、己の限界まで鍛え上げた肉体の悲鳴に違いない。絶対に顔を見てやる。そう思って一歩を踏み出した瞬間だった。

 お賽銭を入れようとしてガラ空きになった僕の脇腹に、修行僧の重いパンチが――――

 そう、あと一歩でも進めば、「お前を壊す」というイメージを抱かされてしまったのである。174センチ70キロの体が宙に浮き、肋を折られるイメージを。おそらく、彼の発する気の中に無遠慮で入ってしまったのだ。卑しい考えを持って近づいてくる輩がいる、と。「マンガの見過ぎじゃないか?」という意見は受け入れられない。その時は本当にそう感じて、すぐにその場を引き返したから。人間は自覚のあるなしに関わらず、己の周囲に気を発しているとどこかで聞いたような聞かなかったような。

そもそも修行僧ってなんなんだ!?

 そもそも、なんであの人たちはあんなことをやってるんだ。よく考えてみると、物心がついた時から変わらずに見る光景の一つだ。つまり、20年は存在し続けている。調べてみると、やっぱり修行の一環だそう。宅鉢という、仏教の考え方に則ってるとか。宅鉢とは、僧が修行のために鉢を持って家の前に立ち、経文を唱えて米や金銭の施しを受けて回ること、だって。

 へえ~。でも、あの肉体は修行とかいう概念を超えてるぞ。そう考えると、あの人の正体は一つしかない。

 圧倒的な暴力により寺を追われた過去を持つ男

 間違いない。ハンターハンターで言うと絶対に強化系だ。僕は彼の円に入ってしまったと考えれば、すべての辻褄があう。ちなみにいつかのネットで見つけたハンターハンターのオーラ診断では、

・僕は変化系

・彼女は特質系

 でした。彼女はとても喜んでました。