【2024年5月8日 追記・更新】
2021年9月24日にPS4・PS5・Xbox One・Xbox Series X|S で発売された『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』。木村拓哉さんを操作して遊ぶことが出来るゲームで、通称:キムタクが如く2/ジャッジアイズ2の続編を、クリアした感想・評価になります。シナリオの核心をつくネタバレは避けています(澤先生の項を除く)。
- LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶とは
- 評価・感想
- 小ネタ
- クリア後・クリア時間
- 電波探偵:狙われた誠稜高校の攻略
- 恋愛イベントは前作に大きく劣る
- 澤先生の扱いだけが不満(超ネタバレ注意)
- 追加DLC:海藤正治の事件簿をクリアした感想(3月28日リリース)
- まとめ
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LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶とは
「失われたのは真実。そして正義。」
木村拓哉×龍が如くスタジオ 全世界待望のリーガルサスペンス巨編最新作「ジャッジアイズ」シリーズ最新作が発売決定! 国民的俳優・アーティストとして大活躍中の木村拓哉が、セガ「龍が如くスタジオ」と再び強力タッグを組み、本格リーガルサスペンスが描かれるアクション大作に帰ってくる。
待望のシリーズ最新作『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』の幕が上がる――!
【出演】木村拓哉 玉木宏 山本耕史 光石研/中尾彬 【総合監督】名越稔洋 【脚本】古田剛志
CERO表記:D区分(17歳以上対象)
ジャンル:リーガルサスペンスアクション
前作『JUDGE EYES:死神の遺言』は2018年12月13日に発売しています。
評価・感想
イジメが題材のシナリオには現実味アリ
青々と晴れ渡る横浜、伊勢佐木異人町の空にもうもうと立ち上る赤い煙。消防車のけたたましいサイレンの中、消防士たちによって発見されたのはウジが湧き、ぐずぐずに腐り切った若い男性の他殺体。……それがすべての幕開けだった。
今作のメインシナリオは、いじめを題材にしています。一つの殺人事件を通して、過去のいじめ事件の関係者や、政治家や検察、警察組織の在り方なども巻き込んでいく壮大なシナリオになっています。
今わかる情報を小出しにして、プレーヤー&キャラに謎解きをさせる描き方は、前作よりもパワーアップ。プレーヤーのミスリードを誘うような演出もあり、没入感はハンパないです。
ゲームの最序盤。画像の江原は現職の警官でありながら痴漢事件を起こします。有罪判決を受けた時に殺人事件について語り出し、結果的に法廷だけでなく、機能していない法のシステムそのものを侮辱することに。
江原の息子は、高校の時にいじめが原因で自殺しています。江原は息子からいじめを聞かされた時、「お前が弱いからだ もっとしっかりしろ」と声をかけたと。ただ、それが息子を追い詰めたと八神(キムタク)に語る描写があるのですが……。多くの人にとって、ものすごく現実味のある発言だと思います。
個人的に現実味があったキャラ:間宮由衣の紹介。学生時代にいじめに加担していましたが、現在は夫と子供にも恵まれて理想の幸せを掴んでいます。シナリオ上、非常に重要な秘密を抱えていますが、それをプレーヤーに隠し通す演技が抜群に上手い。就職にも困らないでしょうし、職場での立ち振舞いなども上手いに違いない。こういう人おるよな~とプレーヤーに思わせるキャラの代表例だと考えています。
イジメ被害者の復讐は、イジメ加害者の未来が一番輝く時に行う~みたいな発言もあり、これも個人的には現実味がありました。このように、題材がいじめなだけあって、言葉に重みがあるキャラが登場して、重い展開が続きます。
シナリオ序盤で、高校生のいじめを表面上解決してキメ台詞を放つ八神(キムタク)。ご都合展開+あまりにも軽々しい発言に、これで大丈夫か……? と感じた方も多いと思われますが、後半に向けての演出という考えに至りました。キムタクが上手いこと言ったら最後はなんとなくまとまる感が、今作は薄い点も◎。
メインの登場人物は、誰もが信念や正義を持っています。ただ、正義と正義がぶつかると、関係のない人が巻き添えを食らう……この事実が、八神を動かす最大のモチベーションになってシナリオは描かれています。なので、前作をプレイして八神の過去を理解していないと、言葉に説得力が生まれづらいかもしれません。
複数の事件が並行して進むので情報量が多いですが、CASE FILEから確認することでシナリオの流れ・登場人物などはしっかりと追えます。終わり方もそれなりにスッキリしていますし、クリア後は、すごいゲームをプレイしたんだな……という達成感がありました。
ユースドラマでキムタクの魅力が爆発!
一方、メインシナリオとは別に、今作はユースドラマと呼ばれる高校内で繰り広げられる青春ドラマのようなサブクエストがあります。こちらは明るい雰囲気でギャグ要素も多め。そして、マジで凄いです。
ミステリー研究会に顧問として所属しつつ、ダンス部・ロボット部・eスポーツ部・暴走族・ボクシング・スケボーなど、各々の活動にキムタクが潜入して非行問題を暴きつつ、青春ドラマも楽しめるというもの。その一つひとつに、ゲームとイベントが実装されているんです。むしろ、こちらが本編と言っても差し支えがないレベル。
UFOを探すイベントなども。ロストジャッジメント:ユースドラマ版 という一本のゲームを作れるほど濃い。
ダンス部は、本格的な音ゲー。メンバー内のいざこざ、恋に悩むメンバーなど、ザ・青春イベントも盛りだくさん。
ボクシングも。
スケボーは、パークとレースの二種類あります。次回作は、BMXも入れてほしい!! ローガン・マーティンの演技をキムタクにやらせてくれ!!
eスポーツ部では、バーチャファイターをそのまんまプレイすることに。キメ台詞:10年早いんだよ! のキムタク版はかっこいい。
キムタクが暴走族に潜入してトップに上り詰めるレースゲーム。花火や銃撃してくる族を倒してレースに勝ちましょう!
他にも、キムタクで遊べます。
前作レビューにも書いた気がしますが、木村拓哉さんではなく、テレビで見てきたキムタクという存在を崩すことなく遊べるのはやはり面白いですね。偉大な方だと考えています。
もちろん、前作にあったダーツ、バッティングセンター、ドローンレースなども。ゲームセンターもあるので、ゲーム内でプレイできるミニゲームの数がとんでもないことに。
ただ、倫理観がごちゃごちゃになりやすい
メインシナリオは、いじめは絶対にいけない、とプレーヤーに強く意識させますし、死者も出ます。そういった現実を匂わせるシリアスな出来事の前後に、ギャグ要素を多分に含んでいるサブイベントがプレイ出来ます。なので、そこは別物と割り切るべきです。
ただ、さらに問題があって、メインシナリオでも倫理観が???となりがち。いじめを題材にしていますが、結局暴力で解決する展開がメインという……。なので、不良高校生を暴力制圧したキムタクが、高校生のいじめを解決した、みたいな矛盾をプレーヤーはスルーする必要があります。ゲームなので仕方ないですが……。
メインシナリオとサブイベントは別。そして、ゲームと現実も別。ツッコミどころを挙げればキリがないですが、メインもサブもゲームとしての完成度が高すぎるので、プレーヤーが適応しましょう。
メインシナリオで、現役の刑事と殴り合うキムタク。シリアスな場面ですが、拳で語り合う、というのがこのゲームの基本です。
ネットニュースに、退職した教師の顔写真が掲載されるという。パッと見ただけでは現実にありそうな描写。これももちろんフィクション。
鉄爪(てっそう)というキャラ。バルロ○みたいな爪をつけて、八神とバトルすることに。見たところ30代ですが、いい歳してこんな爪をつけるなんて……なんて思ってはいけません。
ユースドラマで、キムタクがヘビー級ボクサーにスパーリングで勝つという展開。キムタクの体重は60キロくらいと仮定して、ヘビー級は90キロ~くらいなので……とか考えてはいけない。
変態の帝国を作ることを阻止するサブイベント。スク水を学校に忍び込んで盗んだとか、多目的トイレで~とか、下ネタ全開。
極めつけは、法廷で変態がおちゃらける一枚絵。メインシナリオでは、あれだけ痴漢冤罪とかいじめとか殺人とか法廷で語っていましたが、サブは別です(強調)。
とは言え、倫理観がごっちゃになってしまいがちなのも事実。プレイする順番によっては、クソゲーと言われても仕方ないのかな、と思うくらい。割り切りが本当に難しいですが、適応しましょう。
前作との最大の違いは、オープンワールドっぽさの追加
今作では、既存のゲームで面白い要素を全て入れてしまえ! という製作の意思を感じました。その一つが、オープンワールドゲームっぽさ。ゴーストオブツシマ、ホライゾンゼロドーン、レッドデッドリデンプション2、アサシンクリードオデッセイなどなど。そういった作品の中には、必ず主人公が拷問される描写があります。
他にも、背後から忍び寄り、△ボタンで絞め落とすステルスキルも導入。
ビルの配管などに掴まって上り下りも。握力ゲージは、ゼルダBotWを思い起こさせます。
前作に登場したキャラも多数登場。一枚絵で振り返りますが、全く覚えてないキャラも多かったので、あまり間を開けずにプレイすることをおすすめします。ストーリーやキャラは、悪役も含めて基本的に続投しています。
バトルも大きな変化はないですが、技や仙薬の種類は増えました。調査アクションなども追加しています。
容量54GBとは思えないMAPの作り込み&グラフィック
今作の舞台は、大きく分けて3つ。前作の神室町、誠稜高校、そして横浜異人町です。MAPの作り込みは、凄まじいものがあります。校内はものすごく広い上に、各教室やトイレ、体育館から屋上まで実装されています。
異人町は、神室町を超える広さ。すごい。
また、街の至るところに描かれたリスマークも、今作の収集要素として登場。前作にはなかったものです。注視しないと読めない文字もあり、凄まじい。
ただ、スケボーで超高速で移動した場合のみ、MAPの読み込みが数秒間に合わないことも(PS4版)。多目的トイレが透けて海が見えますが、バグではないです。
ロードは長めですが、メインシナリオのムービなどの画質を上げるところは上げて、必要ないところは下げるという工夫も。あくまで個人的な感想にはなりますが、容量を抑える工夫をプレイしていて感じていました。
小ネタ
ちょっと待てよ は1回しか言わない
前作はチェイス時に結構言ってた気がしますが、今作は言わないですね。藤堂湊さん(DLC)とのイベントで見ることが出来たのが唯一だったと思います。キムタクにちょっと待てよ! と言わせるには金がかかるってことです。
進行不能になる可能性も……?
画像のスクープミッションと言うのは、いわゆる現場を写真に収めるイベント。教師をゆすった学生の金銭受け取り現場を写真に収めろ、というもの。ただ、画像のように、ミッション中にガールフレンドから電話がかかってきて大変でした。「ああ、ちょうど暇してたところだけど。」と画像では言っていますが……笑。イベント進行フラグが同時に重なってしまうことが多々あります。
エミリとの電話の後には、月乃からも電話がかかってきて大変でした。
ロボット部で詰む
今作最大の詰みポイント、ユースドラマのロボット部。序盤は良いのですが、後半はコースが複雑になる上に、こちらのマシンを最優先で相手が破壊してきます。オートプレイでは100パー負けますし、パーツを集めるためには練習で勝たねばなりません。相手の戦力値とこちらの戦力値の差を埋めた上で、運にも恵まれる必要があります。誰か助けて。
進学校には存在しない生徒を登場させすぎ
僕自身が進学校の落ちこぼれという存在でしたが、ここまでやべえ奴らはいなかったです笑。教師に暴力はもちろん、単車での暴走行為、盗撮、スリ、ゆすり、賭博など、犯罪のオンパレード。こういった部分も、やはりゲームと現実は別だと割り切る必要があります。
僕の高校時代の友達が、中学時代の友達にカツアゲされている現場に遭遇したことを思い出しました……。もちろん止めました。
エロ
ソフィアとの恋愛イベントを実装してほしかったな……
早乙女月乃さんとの恋愛イベント時に調べる必要があるお尻
さおりさんのキャバクラミッションも
DLC・アーリーアクセス権について
PS4とSNintendo Switchをここ数年プレイしてきましたが、アーリーアクセス権というのは新しい試みだと思います。僕のように情報を生業としている人間からすれば、アーリーアクセス権は助かります。
買い切りで充分に遊べることが前提ですが、ゲームのプレイ方法は人によって異なります。個人的には。プレーヤーの攻略・好奇心充足の助けになったり、製作の愛が伝わるようなアイテムであれば大歓迎です。
今回は、24日の発売までに2度ほどアップデートが行われていました。
10月8日 名越稔洋氏がSEGAを退社
監督の名越稔洋氏がSEGAを退社したことが明らかになりました。龍が如くスタジオは新しいメンバーでスタートを切るそうです。今後のゲームに何か展開があればまた追記します。
・代表、製作総指揮:横山昌義氏
・『龍が如く』シリーズ チーフプロデューサー:坂本寛之氏
・『龍が如く』シリーズ チーフディレクター:堀井亮佑氏
・『龍が如く』シリーズ アートディレクター:三嶽信明氏
・スタジオ技術責任者、『ロストジャッジメント』ディレクター:伊藤豊氏
・スタジオ映像監督、デザインパート責任者:深川大輔氏
・スタジオチーフアニメーションディレクター:反町孝之氏
クリア後・クリア時間
サブクエストまでしっかりとプレイして45時間くらいでした。クリア後は、
レコード:終わりよければ全てよし
トロフィー:完走御礼
など獲得。また、サイドケースをこなすことが可能です。事務所で朝昼晩選択可能。時限性のあるサブイベントはないので、いつでもクリア可能です。
電波探偵:狙われた誠稜高校の攻略
ユーザーフレンドリーな今作の中で、不親切極まりないのが盗聴器を見つける作業。チュートリアルの「駐車場で盗聴器を探す」でも、自転車置き場を通って建物の反対側まで行かねばならない上に、逆側から周ると九十九に止められて進めないという極悪仕様。
電波探偵のサブイベントも、途中まではすいすい進めると思うのですが、高校内を見て周る必要があります。
食堂の自販機、体育館、ミス研、ダンス部、2階か3階の女子二人がいるロッカーにあります。
恋愛イベントは前作に大きく劣る
このイベントを楽しみにしている方も多かったんじゃないでしょうか。ただ、今作はビミョーです。というのも、湊さんにプレゼントのイヤリングを全種類渡してもどれも上がり方が均一だったり、栄養ドリンクしかプレゼント出来ないなど、??? と思ったことがキッカケ。これはバグではなく、エミリ以外がDLCだからだと思われます。現に、エミリだけは装飾品しかプレゼント出来ません。
メールのやり取りもないので、ただただ、プレゼント攻勢していればOK。よって、前作よりは完成度かなり低いです。
藤堂湊
ゆるキャラのイベントを追えば自然に出会えるとありますが、チャプター11になってやっと、恋愛イベント解禁。ここまでストーリーを進めないと解禁されないのは驚きでした(何回公園に行ったことか)。好感度がマックスになるまでは栄養ドリンクのプレゼント攻勢などでOK。女性を恋愛で攻略する、という面で今作は面白くないですね。
望月・S・エミリ
ガールズバーへ潜入するためには、ユースドラマの度胸が4以上ある必要があったと思います(たしか)。また、ガールズバーで、春子・綾葉・みうの三人の好感度をMAXにする必要も。
ダーツ1回して8まで酒を飲んでお店に入り直してダーツして酒飲んで……みたいなことを繰り返して、好感度をあげましょう。ロック部分まで好感度が上がってお店に入り直すとイベントが発生。各々の問題を解決しましょう。
3人ともイベントがあります。
早乙女月乃
神室町で、お尻マイスター→お尻を狙われそうな女性を注視・デバガメ刑事をバズ→集音器で確認。イベントをクリアすると、異人町のカフェに出現。学校でドッジボール撮影などをして好感度を上げましょう。
保健室前の食堂や学校内でいちゃついても問題ナシ。浮気したら他の女の子の進行が出来なくなるということは今回もありません。4股かけちゃいましょう! これもゲームと現実の割り切りですね。
葉加瀬響子
道端で話しかけると、保健室の先生であることが発覚。夜に学校に行くのが基本ですが、昼に校庭で会う必要があったりなど、盲点をついてきます。よって、時間帯をずらして会う必要があります。
澤先生の扱いだけが不満(超ネタバレ注意)
澤先生は、今作で非常に重要な役割を果たすキャラです。
自身が学生の時にもいじめがあり、楠本玲子の息子:充が意識不明になります。教師になっても、御子柴が江原の息子:敏郎をいじめて裁判で証言をするはめに。数年後、御子柴が教育実習に来たら、今度は教え子にエロとか言っていじった影響が序盤のいじめの引き金に。んで、キムタクと出会ったらしつこく質問されて過去を掘り返された挙げ句、最後は家に半グレ・相馬が乱入して殺されるという……。
こうやって描かれていた部分だけでも書き出してみると、まさに呪われている人生としか言い様がないくらい酷い。そして、あの瞬間の表情も……。CERO Dですが、今までプレイしてきたゲームの中で二番目に胸くそ悪いというか、トラウマになるような描写でした(一番は、ゴーストオブツシマのたか。三番は、絶体絶命都市4)。CEROの基準がわからないと思いましたね。
シナリオの都合とは言え、死ぬしかなかったのか? とか、生存ルートはなかったのか? とか考えましたが、やはりなし。八神が桑名を止める最大の理由になっていましたし、最後の最後まで澤先生が八神のモチベーションとして表現されています。前作をプレイしていない人は八神の過去を知らないでしょうし、絶対的に必要でした。また、相馬の残酷さ・冷徹さを描くことにもなり、ラスボスを引き立てるためには避けて通れない死でした。
ということもあり、せめてクリア後は、墓参りのイベントやムービーなどが実装されるべきだった、と自信を持って言えます。エンドクレジットも仲間でわいわいするんじゃなくて、澤先生を悼むような描写を一つでも入れてほしかったですし、入れるべきだったという考えに至っています。弁護士として出廷した裁判の結果にしても、八神が誰に一番報告したいかを考えれば明らかでしょう。なぜ悼む描写を入れなかったのか、これがわかりません。
楠本玲子は自首しましたが、本来の復讐は果たせた上に息子も目を覚まして話せる状態にあります。桑名は失踪、相馬はキムタクにボコられただけ。江原は上訴の結果次第ですがそこは描かれてません(このゲームの倫理観を考えると死刑にはならないでしょ)う。他キャラに比べても、マジで何一つ、報われずに終わってます。
表情も非常に豊かで、セリフも共感できるものばかり。笑顔が見れるようなイベントを見たかった。
澤先生は犠牲になったのだ……とか、SEGAにいじめられてるとも言えなくはないな、とか、頭に思い浮かぶことは悲しいことばかり。キャラの印象まで美しく収める必要は別にないかもしれませんが、個人的に最も心残りだったので綴っておきます。しっかりと悼む描写や、少しでも報われる何かがあれば、僕はこの作品を神ゲーと評することが出来ました。評したかった。
追加DLC:海藤正治の事件簿をクリアした感想(3月28日リリース)
『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』での事件後のストーリー。八神が出張で不在中の東京・神室町で、事件は始まるー。
「ジャッジアイズ」シリーズ初となる、八神隆之の相棒・海藤正治が主人公の追加シナリオ。海藤を操り、ド迫力のバトルアクションと、ワイルドな調査アクションで、真相を解き明かせ!
シナリオは本編っぽさがある
――東京・神室町、八神探偵事務所。
海藤正治は八神が出張で不在の中、暇を持て余していた。最近増えた悪徳探偵による被害のせいで、神室町の探偵の評判は大いに下がっており、その煽りで八神探偵事務所の依頼も減っていたのだ。時間を持て余した海藤は東や杉浦といった面々を飲みに誘ったものの、みな忙しいようですげなく断られてしまう。「……仕方ねぇ。誰かいるかも知れねぇし、テンダーにでも顔を出してみるか……」
こうして事務所で一人過ごす孤独な夜に耐えられなくなった海藤は、馴染みのバー「BARテンダー」に向かうことにする。
DLCに対して、ここまでしっかりと評価や感想を書くべきかを考えましたが、価格が3000円もするので正直に書くことにしました。
簡潔に述べると、
海藤さんの元に、元カノを探してほしいという依頼が現在の夫からくる
→元カノが事件に巻き込まれたことを知る
→海藤さんが元カノとの過去を見直しつつ、黒幕へたどり着く
こんな感じの流れです。
先が気になるような展開、黒幕のキャラ、伏線回収など、本編と同様の流れでした。シナリオは悪くないと思うのですが、気になる点も多かったので、この記事ではそれを述べています。
海藤さん(だけ)が大活躍します
ゲームそのものの質は高く、本編と変わりなし
本編にもありましたよね。バトルもキムタクが海藤さん仕様になっており、ほぼ同じです。キムタクで出来たこと・遊べたことの大半は、海藤でも出来るようになっています。
半グレ集団と戦い、その黒幕を倒す流れも同じ。おなじみの田代くんも。
サーチモードがマジでストレス
海藤の調査アクション(ワイルド・センス)
海藤は野性的感覚を活かした調査を行っていく。注意深く異常を見つける「海藤アイ」以外にも、怪しいにおいを見つけ出す「海藤ノーズ」、わずかな音を聞き逃さない「海藤イヤー」を駆使して事件のヒントや証拠を見つけ出していく。また、街中でもこれらの能力を使うことで、アイテムなどを得ることができる。
個人的に大嫌いだったのが、サーチモード。何が進行フラグなのかわからず、目に見える範囲全体にサーチをかけていくしかありませんでした。
L2ボタン長押しでヒントを得ることが出来、こういうものをサーチしたら良いよ、と教えてくれます。でも、そんなことはわかっているわけで、それがどこにあるのかがわからないからストレスが溜まるんだよ!!! というのが個人的な主張です。
ちなみに、耳と鼻を使うモードが追加されています。耳と鼻はフラグが発色しているのでわかりやすい。
キムタクの偉大さを痛感
キムタクが一切登場しないので、一気に違うゲームになったと言うか……相対的に、ヤクザや半グレ集団など、暴力が目立つ内容になっています。
『龍が如くシリーズ』の大ファンの方ならば良いかもしれませんが、多少なりともキムタク目当てで『ジャッジアイズ』や今作本編を購入した方は、僕と同じような印象を抱くかもしれません。
ヒロインの美希子さんが酷い……(超ネタバレ注意)
曲がったことが許せず、正しいことのためならヤクザ相手にも一切ひるまない。暴力には得意の護身術で対応するほどに男勝りな女性。
美希子は15年前、海藤と交際しており、結婚まで考えていた。だがある日、海藤は制止する彼女の言葉を聞き入れることなく、対立組織への復讐のためカチコミに向かった。
それがきっかけで二人は別れることになる。
貞元響也の妻であり、貞元准の母。2年前に突然失踪し、自殺したとされていたが最近、神室町でよく似た女性が目撃されたようだ。
海藤さんの元カノの美希子さん。終始違和感が残るキャラでした。
まず、この性格でヤクザに惹かれるか? というのが最初の疑問。でもそれは良いとして、息子がいるのに復讐の鬼になるか? この性格で夫:貞元響也を大きく見誤るか? というのも疑問でした(そうしないとシナリオが進まないとは言え)。
また、夫が復讐の敵だからと言って、息子の目の前で殺そうとしていた描写はさすがに……。極めつけは、エンディング。海藤さんと結ばれるつもりなら医者の家に居座ったり甘えてたらダメでしょ笑、という。ご都合展開が非常に多いDLCではありますが、さすがに酷いな、という感想を抱きました。
正義感が強い性格の美希子さん。あまりにも女性視点で描かれていないので、シナリオ監修に女性スタッフはいなかったの? と思ってしまう。キャラよりもシナリオを優先させたということだと思いますが……
貞元響也を純粋な悪として描く必要があったので、その犠牲になったのが美希子さんですね……。
エンディングの分岐があるようで、一つのみ。これが医者ENDならばここまであれこれ書いてません。決闘に負けてもゲームオーバーでリトライに。不満でしたね。
クリア時間・クリア後
クリア時間は6時間ほど。クリア後は特になし。エンディングイベントの直前からやり直せます。
まとめ
エンディングを見た感想は、なんだこれ……でした(美希子さんが主)。1500~2000円くらいが適正価格だと考えます。ただ、クレジットを見るとこれだけの多くの人が関わってるなら安いかもしれない、と思ったり。でも、税込3300円はちょっと高いですね。
おすすめ出来る人は、海藤さんが明確に好きな方、龍が如くシリーズのファンの方など、ですかね。キムタクの存在って凄いんやな、と相対的に感じたDLCでもありました。
ゲームとは言え暴力で物事を解決するので、現実(特に今のご時世)を想起してしまう方などには要注意です。
プレイする方法
- アプリケーションをアップデートする。バージョン1.11が配信中なのでダウンロードしましょう
- アプリケーションを起動→メニューのダウンロードコンテンツからPlayStation Storeにアクセス→海藤正治の事件簿をダウンロードすればOK。価格は3000円するそうですが、デジタルデラックスエディションを購入したので無料でした。
- アプリを再起動すれば開始することが出来ます。クリア後に感想・評価を追記します。
まとめ
SEGAが持てる技術全てをつぎ込んだんじゃないかと思わせるような圧倒的な作り込み。ストーリーとユースドラマとMAPの緻密さは、PS4でも屈指と言えます。プレイ中も、本当に凄い会社やな……と感心せざるを得ない場面が多かったです。
ただ、下ネタが嫌いな方、いじめがあまりにも人生に根深く関わっている方、ゲームと現実がごっちゃになりがちな方などには、おすすめは出来ません。プレーヤーを選ぶ類の作品ですが、間違いなく素晴らしい作品でした。
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